受験勉強と脂汗1

こんにちは。院長の戸谷です。

センター試験も終わり、もうすぐ国立大2次試験の時期です。 私は「成人の日」を考えた事がなく、「成人式=センター試験の日」にしか頭にありませんでした。

文系の大学1年の終わりから受験勉強をしたので、最終的にセンター用5教科7科目をカバーし、「確立統計」が二次試験で受験できるレベルに達した時(つまり受験できる大学の幅が広がった)は、勉強し始めから6年の歳月を重ねていました。 徳島(前)→鹿児島(後)→徳島(前)→徳島(後)と見事落ち続けて、最後は新潟大に入学です。

センター試験は焦るのですよね。時間との勝負ですから。最後のセンターで、当時数学Ⅱ(大問2つ選択 50点×2)で、最初の問題1の小問題2の段階(まだ1問の1/3すら終わっていない)で、なんと60分のうち50分を費やしました。センターは桁数が合わないと、解答欄の空欄数と一致せず、間違い確定です。

「絶対解法は正しい」→「でも解答欄の桁数が合わない」→焦って脂汗が手のひらから噴き出し、消しゴムに染込む→消すとマークシートや計算用紙の文字が消えず、「ビヨーン」と伸びて紙が真っ黒になる→焦って脂汗が更に消しゴムに染込み、もっとマークシート真っ黒!→「ここで受験勉強6年の努力が水の泡と化すのか」と、絶望感&焦りで頭真っ白→脂汗…  と負の無限サイクルが回転し始めます。

そこには「わかる問題から解く」「深呼吸して落ち着いて問題を見直す」とかのセオリーなんぞ存在しません。ただ「絶対合っているはず、落ち着け、落ち着くんだ。まだ時間はある。焦るな!!」と言い聞かせながらも、心臓がパクパクしているのです。

幸い50分経過した時に、計算ミス(極めて単純)がわかり、目の前に細い道が伸びているのが見えました。単純な計算ミスでも、焦っていると見えなくなるものです。残り10分で、なんとか得点率9割まで挽回して事なきを得ましたが、人生の分かれ道ではこんな出来事で左右される事があります…。

生物の試験では、昨年の夏期講習の問題がそのまま出ていました。生物は得意でしたが、数少ない苦手問題があり、テスト開始10分前に見直したのが幸いでした。

歯科医師国家試験は当然猛勉強しましたが、はっきり言ってセンター試験のプレッシャーと比較すれば、ずっと簡単でした。皆「国試の方が大変」と言いますけど。多分あっさりセンターを攻略できた人が多いのでしょう。

センター試験は「誰が見ても、これが正解」というのが求められます。「自分の考えを聞かれているのではない。要は出題者の考え、何をこちらに求めているのか。この1部の文章のみから導かれる答えを求められている」という思考回路が求められます。これは、多分歯科医師国家試験のみならず、あらゆる国家試験で同じでしょう。「相手(出題者)の考えを類推し、それに対しての解答を導く。出題者は文中にメッセージを送り、それに気づいてもらいたい」

昔、堂本兄弟の番組で「資格ゲッター」というのがありました。どんどん資格(船舶とか重機とか)をゲットしていくコーナーでしたが、彼も「どうしたら試験に通るのか、これだけ試験を受けていたら、なんとなくわかった」と話していました。この種の試験には、一定のパターンがあるのです。

この考え方や発想はセンター試験で気がつき、歯科医師国家試験も全く同じでした。実社会でも必要とされる事でしょう。受験勉強を、単なる「通過点」ではなく、今後歩んでいく「人生の縮図」の一部として捉えていけばいいと思う。仮に結果がどっちに転んでも、そこで得た教訓や苦悩こそ、実社会で役立つでしょう。私も歯科医師になり、その時の経験が大きく役立っています。

受験生の皆さん、大変ですが最後まで諦めない事。希望を持ち続ける事。大学卒業してから多くの困難が待ち受けていますが、遠くを見つめつつ、目の前の困難を乗り越える事に専念しよう。