ある学生アルバイトさんの卒業~「継続は力なり」~

院長の戸谷です。

もうすぐ4月ですが、とたに歯科医院で長く働き、支えてくれた学生さんが就職するため、3月末で退職いたしました。職場で愛された学生さんの退職は、スタッフ一同寂しい思いはありますが、新たな旅立ちにエールを送ります。

彼女は採用面接の際に、「私は継続する事を大切に思っています」と、今まで歩んできた人生で「継続する事」の価値を大切に、そのための努力を語った記憶が、今でも鮮明に残っています。 私自身も関学大在学中を含め、6年間の受験勉強を経て歯学部に入学した経緯があり、努力を継続することを何より重視したので親近感を覚えました。同時に「この年齢で、そのような意識を言葉にできるほど、明確に持っているのか」と少し驚いた記憶があります。

歯科医院では遅刻することなく真面目に働き、かけもちのケーキショップでも4年間きちんと働き通し、新潟や東北被災地へのボランティア活動にも熱心に取り組みました。そして退職する際にも、「『継続』は、何事に対しても私の中で一番大切にしていることなので、今日まで働く事ができて良かったです」と語りました。

「面白くない」「もっと楽しいと思った」と、早期退職するスタッフも少なくありません。共通するのは「与えられる」ことを期待していた人が多かった気がします。しかし、仕事を通して何を得るかは本人次第なのです。こちらが与えるのもありますが、大半は自ら掴み取るもの。その前提条件は、「継続する事」なのです。継続し続けることで、初めて見えてくるものがあります。彼女はその大切さを、早くから感覚的にわかっていたのでしょう。

実社会では何より「結果」が問われます。しかし敢えて言わせてもらうと、必ずしも結実するとは限らないが、それに向かう誠実かつ継続的な地道な努力の積み重ねこそ、人としての価値が表れると思います。その重要性は誰もが認めるものの、実践は思った以上に大変です。

4月から大手都銀で働く事になりますが、困難が多くても、きっと乗り越えていくことでしょう。自分のポリシーを最後まで貫いて、学業・アルバイト・奉仕活動を両立させた彼女を見ると、むしろこちらが教えられた気がしました。